【USHY組入社債発行企業紹介】EchoStar Corpとは?衛星インフラの雄がなぜジャンク債に?

米ドル建てハイイールド社債ETF「USHY」は、格付けが低めだが利回りの高い社債(ジャンク債)を集めて運用するETFです。
ですが、「どんな会社がこうした“ジャンク債”を発行してるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
そこで今回は、USHYに組み入れられている発行企業の中から、通信・宇宙インフラで知られる EchoStar Corp(ティッカー:SATS) をご紹介します。
🛰 EchoStar Corp(エコースター)とは?
EchoStarは、米国コロラド州に本社を構える通信・衛星インフラ企業です。
人工衛星運用、地上通信設備の設計・運用など宇宙・通信インフラをコア事業とし、米国内外で広く展開しています。
衛星テレビ「DISH Network」との関係が深く、人工衛星・地上局・ネットワーク機器の設計・製造・運用を行っており、宇宙通信・ブロードバンド通信のインフラ基盤企業として長い歴史があります。
「DISH Network」とは2023年末に正式に再統合されており、現在はPay-TV・ワイヤレス・衛星サービスなどを一体運営する持株会社体制となっています。
💸 そんな企業がなぜハイイールド債に?
いわゆる「ジャンク債」と呼ばれるハイイールド債は、信用格付けが低い企業が発行する債券です。
では、EchoStarの格付けはどの程度かというと──
- Moody’s:Caa2(2024年11月時点)
- S&P:CCC+(2025年4月時点)
どちらも「投機的水準」であり、デフォルトリスクのある水準の格付けといえます。
EchoStarは収益性が不安定な時期があり、負債比率の高さや業績の変動リスクが格付け低下の主因と考えられています。
特に、DISHとの再統合による財務構造の複雑化がリスク要因と見なされ、信用格付けの上昇には時間がかかる見通しです。
📦 USHYに組み入れられている理由
こうした信用力の低い企業の社債でも、利回りの高さが魅力です。
USHYは約1,900本以上の社債に分散投資しており、その中の一部としてEchoStarの社債も組み入れられています。
EchoStarの代表的な社債として、「10.75% 2029年満期債」などが実際に組み入れられ、その組入比率は0.4%(2025年8月現在)程度であることが確認できます。
このように、単体ではリスクが高めな社債でも、ETFという形で「広く分散しながら高い利回りを狙う」ことができるのが、ハイイールドETFの魅力です。
🧭 まとめ:ジャンク債といっても、企業は多様
EchoStarのように、通信・インフラの分野で確かな実績を持ちながらも、経営や財務の側面からハイイールド債に該当する企業は数多くあります。
USHYではそうした銘柄を分散保有することで、利回りの底上げとリスクのバランスを取っています。
こうした企業の実情を知ることで、ハイイールドETFの見方が少し変わるかもしれません。
🔗 当ブログでは、こうした 「USHY組入社債発行企業」紹介シリーズ を今後も続けていきます。
ETF投資の奥深さを、一緒に掘り下げていきましょう!