【USHY組入社債発行企業紹介】Delek Logistics Partners(DKL)とは?石油インフラで安定収益を支える企業!

当ブログの独自戦略について
当ブログでは、**DGRO(米国連続増配株ETF)とUSHY(米ドル建てハイイールド社債ETF)**を組み合わせた「DOSH戦略」を独自に提唱しています。株式の成長と債券の利回り、双方を組み合わせて安定的なインカムを狙う戦略です。
(DOSH戦略について詳しくはカテゴリ:DOSH戦略を御覧ください!)
しかし、DGROやUSHYは日本ではあまりメジャーではなく、構成銘柄や組入社債の発行企業を把握している方は多くありません。そこで当ブログでは、ETFの中身を掘り下げて紹介することで、投資対象の理解をより深めてもらうことを目的としています。
今回はその中から、**USHYに含まれる「Delek Logistics Partners LP(DKL)」**を取り上げて解説していきます!
Delek Logistics Partners LP(DKL)とは?
**Delek Logistics Partners LP(NYSE: DKL)**は、アメリカ・テネシー州ブレントウッドに本社を構えるエネルギーインフラ企業です。
主な事業は以下の通り:
- 石油パイプラインの運営
- 貯蔵ターミナルの管理
- 石油精製所や小売販売網への輸送支援
この会社は、Delek US Holdings(石油精製・小売事業を展開する親会社的な存在)のグループに属しています。Delek USが大株主かつ主要顧客であり、DKLの収益の多くは同社との契約に依存しています。
したがってDKLは、完全子会社ではないものの、「Delek USがスポンサー兼大株主であり、主要事業が同社との取引中心」という構造を持っているのです。この関係性がDKLのビジネスモデルを支える重要な基盤となっています。
MLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)とは?
DKLはMLP(Master Limited Partnership)という特殊な法人形態をとっています。
MLPとは、主にエネルギーやインフラ関連の事業に適用される仕組みで、以下の特徴があります:
- 上場パートナーシップ企業:証券取引所に上場しているため、株式と同じように取引可能。
- 利益の大部分を投資家に分配:法人税を軽減する代わりに、得られたキャッシュフローの多くを投資家に分配する仕組み。
- 高配当(高分配)になりやすい:このため投資家にとっては「インカムゲイン狙い」の投資先として人気がある。
つまりMLPは、事業そのものはインフラで安定的、それを投資家に積極的に還元してくれる仕組みなのです。DKLも例に漏れず、安定した契約収益を原資に高い分配を実現しています。
主な強み
- 安定したインフラ需要
石油・燃料の輸送は経済活動に不可欠であり、短期的に需要がなくなることはまずありません。 - 長期契約による収益基盤
多くのサービスはDelek USとの長期契約に基づいており、安定的なキャッシュフローを確保しやすい構造です。 - MLPによる高い分配性向上
利益を投資家へ還元する仕組みが、高配当・高分配の源泉となっています。
信用格付けのポイント(なぜハイイールドなのか)
2025年時点で Delek Logistics Partners(DKL) は主要3社の格付けが投機的等級(ハイイールド)にとどまっています。具体的には S&P「BB-」(見通し:安定的)、Fitch「B+」(2025年6月にBB-から格下げ・見通し安定的)、Moody’sはシニア無担保債を「B2」 と評価。
背景にはレバレッジの高止まり(Fitch想定でEBITDAレバレッジ4.5〜5.0倍)、スポンサーである Delek US Holdings への顧客集中(売上の約半分を占める)、高い分配負担による内部資金余力の限定といった構造要因があります。原油価格そのものの変動よりも、精製所の稼働率やスループット(需要)に業績が左右されやすい点も、財務指標の改善スピードを鈍らせうるリスクとして見られています。
USHYにおけるDKLの位置づけ
USHYは約1,900社の社債を組み入れる超分散型ETFです。DKLの組入比率は0.04%前後とごくわずかですが、エネルギー・インフラという特殊なセクターを補う存在として意義があります。
つまり、単独投資にはリスクが大きいDKLも、USHYを通じて少量ずつ分散投資することで、リスクを抑えながら高利回りを享受できるのです。
DOSH戦略における効果
DOSH戦略ではDGROとUSHYを組み合わせて「配当成長+利回り」の両取りを狙います。
DKLのような企業は、小さな比率とはいえ、DOSH戦略の「利回り担当」であるUSHYを支える重要なピースのひとつといえるでしょう。
まとめ
- DKLはテネシー州ブレントウッド本社の石油インフラ企業で、MLP形態を活かし安定収益と高分配を実現。
- Delek US Holdingsがスポンサー兼大株主であり、同社との契約に強く依存するビジネスモデル。
- 業績は石油価格そのものよりも、石油需要や精製所稼働率の影響を受けやすい。
- USHY内では0.04%前後の小さな比率だが、分散効果を高める存在。
当ブログでは今後もDGRO・USHYの中身を掘り下げることで、ETFをより身近に感じられる記事を発信していきます!