【USHY組入社債発行企業紹介】Ball Corporation(BALL)とは?世界の飲料缶を支える巨人がなぜジャンク債に?

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米ドル建てハイイールド社債ETF「USHY」は、信用格付けが低めな企業の社債を集めて高い利回りを狙うETFです。
組入れ銘柄は1,900本以上に分散されており、中には私たちの生活にとても身近な企業も含まれています。

今日はその中から、世界中の飲料缶を製造している Ball Corporation(ティッカー:BALL) をご紹介します!


Ball Corporationとは?

Ball Corporation(ボール社)は、米国コロラド州に本社を構える世界最大級のアルミ缶メーカーです。
コカ・コーラやペプシコなど大手飲料ブランドをはじめ、世界中の飲料メーカーに缶を供給しています。

実はこの会社、かつては宇宙関連事業「Ball Aerospace」も手掛けており、人工衛星や観測機器の開発を行っていました。
しかし2024年にこの事業を売却し、本業であるパッケージ事業への集中を進めています。


主な強み

Ball社の強みは大きく3つあります。

  1. 世界規模の製造・供給網
    北米・南米・欧州・アジアに製造拠点を持ち、グローバルに安定供給できる体制があります。
  2. サステナビリティへの積極投資
    アルミはリサイクル性が高く、同社は再生アルミの利用率を業界トップクラスまで高めています。
    環境意識の高まりが追い風になっています。
  3. 大手飲料メーカーとの長期契約
    世界的ブランドと長期的な供給契約を結び、安定した需要を確保しています。

なぜジャンク債扱いなのか?

これだけ大手で安定感がありそうなのに、なぜ社債の格付けは投機的水準なのでしょうか。

2025年2月時点でS&PグローバルがBall Corporationの長期外貨建て信用格付けを“BB+”としており、これは「ジャンク債(投機的格付け)」に該当します。

理由の一つは負債比率の高さです。
設備投資や事業買収の資金を社債でまかなうことが多く、借入残高が大きくなっています。

2024年の宇宙事業売却によって一時的に負債比率は改善しましたが、それでも格付けは “BB+”(S&P基準)と、依然としてジャンク債水準にとどまっています。
市場では、アルミ価格の変動や飲料需要の季節変動といった事業リスクも評価に影響しており、格付け改善にはまだ時間がかかると見られています。


USHYでの位置づけ

2025年8月時点で、Ball社の社債はUSHYに組み入れられています(ブラックロック公式より)。
比率はごく一部ですが、こうした身近な企業の社債が含まれているのもハイイールドETFの面白いところです。

1,900本以上の社債に分散されているため、単一企業のリスクは抑えつつ、高い利回りを狙える設計になっています。


まとめ:身近だけど投資ではリスクありの企業

世界の飲料缶の多くはBall社製ですが、その社債は「ジャンク債」と評価されています。
これは「良い製品=必ずしも安全な社債」ではない、という投資の現実を示す良い例です。

USHYのようなETFを使えば、こうした銘柄を含めた幅広い債券に分散投資できるため、リスクとリターンのバランスを取りやすくなります。

当ブログでは、こうした 「USHY組入社債発行企業紹介」シリーズ を今後も続けていきます。
ETFを通して、普段は気づかない企業の一面を一緒に見つけていきましょう!

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DOSH管理人
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DGROとUSHYで作る増配×高配当ETF投資ブログ
妻と子どもと暮らす、サラリーマン投資家です。 東証ETFを活用したDOSH戦略を中心に、初心者〜中級者向けにわかりやすく情報をお届けします。
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