【USHY組入社債発行企業紹介】本日は楽天グループ!米国ETFになぜ日本企業の社債が!?

DOSH戦略のおさらい
当ブログで紹介している独自の投資戦略、DOSH戦略では、
- DGRO(2014/東証)=配当“成長”担当
米国連続増配株ETFを組み入れた東証ETFで、長期的な配当の伸びを狙います。 - USHY(2258/東証)=“高利回り”担当
米ドル建てハイイールド社債ETFを組み入れた東証ETFで、安定した高いインカムを生み出します。
この2本の米国ETFを各々にとっての理想のバランスで組み合わせていきます。
詳しくはDOSH戦略のカテゴリをご覧ください!
本日は、USHYに組み入れられている社債発行企業紹介シリーズの最新記事をお届け!
本日紹介するのは「楽天グループ」です!
「え、楽天!?」USHYに日本企業の社債が入っている
驚いた方もいるでしょうか。米国ETFのUSHYに、実は楽天グループ(Rakuten Group, Inc.)の米ドル建て社債が組み入れられているんです!
「米国ETF=米国企業だけ」というイメージを持つ方には意外かもしれません。
楽天はEC、金融、通信と多角的に展開する日本企業ですが、米ドル建て社債を米国内市場で発行し、資金調達を行っています。
特にRule 144A(米国内の適格機関投資家向け私募)という方式で発行した社債が、米国ハイイールド市場の一部となり、USHYの投資対象に含まれるのです。
例として、
- 11.25%・2027年償還
- 9.75%・2029年償還
といった米ドル建てのシニアノートが挙げられます。
いずれも米国内機関投資家向けに販売されたもので、USHYのようなハイイールド社債ETFの構成銘柄になり得ます。
比率はごくわずか……でも示すものは大きい
注意すべきは、楽天の比率はUSHY全体のごくわずかに過ぎない点です。
USHYは約1,900銘柄以上に分散投資しており、個別企業の影響は限定的です。楽天が組み入れられていること自体がUSHYの値動きを大きく左右するわけではありません。
しかし、「米国ETFを買っているのに、実は日本企業の社債にも間接的に投資している」という事実は、USHYの地理的な裾野の広さを示しています。
投資対象の多様性は、リスク分散=安心感にもつながります。
なぜ楽天は「ハイイールド」評価なのか?
楽天がUSHYに含まれるのは、米国格付機関による評価が投機的等級(ハイイールド)だからです。
S&PやMoody’sなどの海外格付け機関は、楽天グループ連結をBレンジ(BB、B+など)で評価しており、ハイイールド債市場の範囲に含まれます。
一方、日本の格付機関(R&IやJCR)は、楽天の金融子会社など中核企業をA格相当と評価する場合もあります。
これは、
- 日本の機関は金融子会社の事業基盤やグループ支援を重視
- 米国の機関は連結ベースでの財務負担・競争リスクをより厳格に評価
といった評価軸の違いによるものです。
同じ企業でも、評価する視点やルールによって「投資適格」か「ハイイールド」かが変わる—これも国際分散投資の奥深い点のひとつです。
USHYの魅力……米ドル建て世界分散という強み
USHYはICE BofA U.S. High Yield Constrained Indexに連動し、米国内市場で流通する米ドル建てハイイールド社債に投資します。
米国企業が中心ではありますが、楽天のように海外発行体の債券も対象になるため、国境を越えたインカム分散が可能です。
この「超分散型の高利回りインカム源」は、DOSH戦略において「不労所得の安定供給源」という役割を担っています。
まとめ:意外性も投資の楽しさ
「え、楽天が入ってるの?」
この驚きは、USHYの多様性を象徴するエピソードです。
比率はごく小さいものの、1本のETFで米国中心のハイイールド市場+海外発行体まで取り込めるのが、USHYの魅力。
DOSH戦略では、DGROの「育つ配当」+USHYの「安定インカム」で、着実なキャッシュフローを積み上げていきます。
次回も、USHYの意外な組入銘柄を掘り下げ、投資の面白さと奥深さをお届けします。