【USHY組入社債発行企業紹介】Tenet Healthcare(THC)とは?病院×外来手術で稼ぐヘルスケア大手はなぜ格付けが低い?

DOSH

はじめに:USHYのおさらい

iShares USHY は、米ドル建てのハイイールド社債(投機的格付け)を広く分散して保有するETF。組入発行体は1,900社債以上と極めて広く、上位発行体のひとつに Tenet Healthcare(ティッカー:THC) が入っています(発行体ウエイト0.86%、2025年8月現在)。

今回はこのTHCを紹介していきます!

Tenet Healthcareはどんな会社?

Tenet は米国ダラスに本社を置く上場ヘルスケア企業。49病院に加え、外来手術の大手 USPI を通じて535超の外来手術センター/サージカルホスピタル、さらに収益サイクル管理子会社 Conifer を擁する複合ヘルスケア・プロバイダーです。

Tenet Healthcareの強みは「規模の大きさ」と「多角的な医療サービス」です。
広大なネットワークを活用することで、全米各地で施設を展開し、診療科目の厚み・紹介ネットワークを確保。効率的な医療提供とコスト管理を実現しています。
また、外来手術センターや専門医療の分野にも注力しており、入院依存を抑え、収益性の高い外来手術(ASC)を拡大。高齢化や医療需要の増加という長期トレンドの恩恵を受けやすい点も魅力です。

さらに、民間保険会社や公的保険(Medicare、Medicaid)との契約を通じて、安定した患者流入を確保している点も経営基盤を支える要素となっています。

それでも「ジャンク債」なのはなぜ?

パンデミック後の人件費高騰や設備投資・M&Aでの**レバレッジ(負債依存)**が長らく重荷でした。ただし、資産売却・事業再構築で負債は改善。2025年には大手格付け会社が相次いで見直し——

  • Fitch:**BB-(安定的)**へ格上げ(2025年3月20日)
  • S&P:**BB-**へ格上げ(2025年6月23日)。改善したレバレッジを反映
  • Moody’s:**Ba3(安定的)**へ格上げ(2024年11月)

いずれも**投機的等級(ハイイールド)**の範囲ではあるものの、事業好転と負債圧縮で格付けは上方遷移してきました。直近の決算でも通期見通しを引き上げるなど、基礎体力の改善が確認できます。

USHYでの位置づけと意義

USHYの発行体別構成比率は 0.86%。一社としては小粒でも、1,900本超の社債に分散する設計だから、個別の信用イベントに対してポートフォリオ全体の耐性を持たせやすいのがポイントです!

日本の投資家は東証2258(iシェアーズ 米ドル建てハイイールド社債 ETF)を使えば、実質的に同じハイイールド債にアクセスできます。売買・分配の受け取りが円で完結し、制度上の二重課税調整にも対応している点が扱いやすいですね!

DOSH戦略の文脈でも、株式(2014/DGRO)による増配成長と、債券(2258/USHY)による利回りを組み合わせる際の「債券側の実例」として、Tenet のような発行体を知っておくと理解が深まります。

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DOSH管理人
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DGROとUSHYで作る増配×高配当ETF投資ブログ
妻と子どもと暮らす、サラリーマン投資家です。 東証ETFを活用したDOSH戦略を中心に、初心者〜中級者向けにわかりやすく情報をお届けします。
※当ブログに掲載している情報は、管理人の個人的な見解や経験に基づくものであり、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨するものではありません。
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