【DGRO構成銘柄紹介】CRH(CRH Public Limited PLC)とは?世界をつなぐインフラの実力派!

米国連続増配株ETF「DGRO」は、連続増配実績を持つ企業を中心に構成されており、安定的な配当と成長性を両立した銘柄が揃っています。構成銘柄は400社以上に及び、その中にはS&P500に入っていないけど、世界的に重要な役割を担う企業が多数含まれています。今回紹介するCRH Public Limited PLC(ティッカー:CRH)も、そのひとつです。
CRHとはどんな企業?
CRHはアイルランド・ダブリンに本社を置く、世界最大級の建材メーカーです。セメント、骨材、アスファルト、コンクリート製品などを世界各地(欧州・北米・オーストラリア等)で供給しています。
住宅や商業施設の建設から、道路・橋・空港といったインフラ整備まで、幅広い分野に素材を提供する“インフラの縁の下の力持ち”です。
北米市場においても存在感が大きく、米国の建設業界に欠かせない企業のひとつとされています。
主な強み
CRHの強みは、グローバル展開、事業の多角化、安定的なキャッシュフローの3つに集約されます。
まず、グローバル展開については、約30カ国で事業を展開し、地域ごとの景気循環の違いを吸収できる体制を構築しています。
次に、事業の多角化では、セメントや骨材といった基礎建材から舗装、プレキャスト製品、住宅向けの内装材まで幅広い製品ラインナップを持ち、特定分野の需要減少に対するリスク分散が可能です。
さらに、長期契約や公共事業の受注によって安定的なキャッシュフローを確保しており、これが継続的な増配の原動力となっています。
DGROでの位置づけ
DGROにおけるCRHの構成比率は0.26%(BlackRock公式サイトより)。割合としては決して高くありませんが、こうした実力企業が数多く集まっていることこそがDGROの魅力です。構成上は小粒でも、世界のインフラを支える企業がポートフォリオに入っているというのは、長期投資家にとって心強い要素でしょう。
S&P500に入っていない理由は?
CRHがS&P500指数に採用されていない主な理由は、S&P500構成銘柄選定の「米国に本社があること」という要件を満たしていないためです。S&P500は原則として本社が米国内に登記されている企業のみが対象となります。
CRHはアイルランドのダブリンに本社を置いており、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場していますが、本社所在地が米国以外であるためS&P500への採用対象外となっています。
配当と増配実績
CRHは1970年の設立以来、50年以上にわたって減配せずに配当を続け、安定した株主還元姿勢が評価されています。建材メーカーという景気の影響を受けやすい業種にありながらも、長期的には売上・利益・配当を伸ばし続けている点は特筆すべきです。
同社はアイルランド企業でありながら米国市場にも上場しており、米ドル建てで配当を受け取れる点も海外投資家にとって魅力の一つです。
今後の展望
世界的な都市化の進展やインフラ更新需要は今後も続くとみられています。特に米国ではインフラ投資法案による大規模プロジェクトが進行中で、CRHにとって追い風となる可能性があります。
また、環境対応建材の開発にも積極的で、低炭素コンクリートやリサイクル素材の利用拡大を進めており、持続可能な社会の構築にも貢献しています。
まとめ
DGROは、大型株から構成比率の小さい企業まで、多様な成長力を持った銘柄がバランスよく組み込まれています。CRHのような企業は、比率では目立たなくても、世界のインフラを長期にわたって支える確かな力を持っています。こうした「小さな割合の大きな存在感」がDGROの強みと言えるでしょう!